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大学受験では推薦入試がどんどん増えている!

イマドキの大学受験を考えたとき、一般入試しか視野にない受験生であっても、推薦入試の動向はおさえておいた方が良いです。

中学時代の高校への推薦というと、ごく一部の成績優秀者の狭き門でしかありません。

大学受験においても、かつては推薦入試は狭き門でしたが、現在は様変わりしてきて国公立大学でも推薦入試を実施しており、国立大学で約10%強・公立大学で20%あたりの推薦入学者がいますし、私立大学においては半数以上もが推薦入学者の大学もあります。

そのため、全大学の推薦入学者の占める割合が約45%と非常に多くなっているのが、現代の大学受験における推薦入試の実状です。

トップクラスの進学高校では一般受験が大多数なので驚きの数字かもしれませんが、全国の大学を見渡したときには、上記の通りかなりの受験生が推薦入試によって入学しています。

その傾向は、国公立大学の推薦入学者の割合を3割あたりにまで増やそうという国の構想からますます増加することが予想され、近未来的には私立大学も含めた全大学の推薦入学者の割合が半数を超えることも十分に予測されます。

推薦入学者の割合が増えるということは、すなわち一般受験による合格者の枠が減ることを意味しますので、推薦入試を検討している受験生はもちろんのこと、一般入試しか考えていない受験生にとっても、推薦入試を「ひとつの入試制度」として検証しておくことは、今後の大学受験の流れをみたときに必須だといえます。

大学受験における推薦入試の増加傾向

文部科学省の大学入学者データによると、平成12年度は約33%(推薦31.7%・AO1.4%)であった推薦入学者の割合は、平成29年度になると約45%(推薦35.2%・AO9.1%)と大きく増加しています。

その背景には、日本を取り巻く国際情勢が関係しています。

世界は益々グローバル化していき、そのスピードはめまぐるしいものがあります。

日本もその世界的流れについていかなければなりませんが、バブル崩壊以降の日本においてはなかなかその打開策を見いだせず、その一方で中国を始めとした従来の社会主義国が目覚ましく台頭してきて、国際情勢における日本の存在感がどんどん低下してきているのが現状です。

「国づくりはひとづくり」と言われるが如く、将来を担う大学生の教育においても、従来の教科点数による合否方式だけでは”画一的な人物”しか登用できず、これからの世界に対抗できる”多様性のある人物”や”特定分野に秀でた人物”を登用する戦略から推薦入試が増加しています。

ただし、一部の大学においては定員割れを防ぐためや一般入試の偏差値上昇を狙った大学側の事情により推薦入試枠をどんどん増やしている学校もありますので、そのあたりは見極めが必要です。

推薦入試にもいろいろ種類がある

推薦入試といってもいろいろな方式がありますので、まずは推薦入試の種類を知り、それに見合った対策が必要です。

系列校の内部推薦

”エスカレーター”と呼ばれる、私立大学の系列高校からの内部進学です。

ただし最近は外部の優秀者を集めている大学も多数あり、系列高校といえども昔ほど簡単には推薦されないようです。

指定校推薦

有名私立大学に多いのが指定校推薦です。

基本的には学力優秀者を対象としていますので、大学側が一定学力以上の進学高校を指定して、その指定高校のみから推薦を受け付ける方式です。

そのため、高校内部においても成績上位者しか推薦されず、各高校においても対象大学との今後の枠がありますので、後年のことを考えれば誰でもというわけにはいきません。

高校内部で推薦者に選定されるためのハードルはとても高いですが、推薦入試そのものは書類選考・小論文・面接など形式的なことが多く、指定校であるからこそほとんどは合格に至ります。

一般推薦入試

国公立大学では基本的に推薦入試です。

私立大学でも先の指定校以外からも広く受け付けています。ただし、私立大学のメインは指定校推薦で、一般推薦はあまり積極的ではありません(AO入試がそれに類似します)。

一般的な推薦のイメージは形式的な審査のみでほぼ合格という感じですが、推薦入試は一般受験より倍率は低いですが、入試である以上倍率があり、国公立大学では1倍強からそれ以上の倍率があります。

多くは教科試験や小論文・面接の審査を実施し、国公立大学の一部ではセンター試験の点数を対象に含めている大学もあります。

地元枠

国公立大学が、所在する都道府県に在住する高校生を対象とした地元生のみの推薦枠です。

広くいろんな地元高校から生徒を登用することを目的としています。

AO入試

元来は社会人が大学に入学するために設けられた制度ですが、最近では現役生の比重が大きくなっています。

学力一辺倒の合否判断ではなく、課外活動(スポーツや文化活動など)や特定科目に秀でた「人物像」に焦点を当てた自己推薦的入試制度です。

現役高校生にとって、推薦は基本的に学校の推薦が必要ですが、AO入試には学校推薦が不要なケースがほとんどです(とはいっても基礎学力や素行が良好であることは必須)ので、総合学力には満たない人でも特定分野でアピールできる人は挑戦してみるのも良いと思います。

一般入試

その名の通り、推薦によらない通常の入試です。

大学が指定する教科のペーパー試験と場合によっては小論文や実技等で受験生が一斉に同じ試験を受け、ほとんどのケースはその一発試験のみで合否判定が行われます。

推薦入試のメリット

志望大学への近道

なんと言っても、推薦入試の最大のメリットは、志望大学への近道であるということです!

  • 一般入試よりも、必要学力に対するハードルが低い
  • 一般入試よりも、倍率が低い
  • 私立大学の指定校推薦ならば、ほぼ合格
  • 仮に不合格になっても、一般入試で再チャレンジできる
  • 日頃学力が優秀な人でも、本番の一発試験では力を発揮できないタイプの人もいます。そんな人は推薦入試も一考です
  • 普通学科以外の学科(商業高校・工業高校など)でも普通学科同様の推薦を受け付けている大学がほとんどです

精神的にも経済的にも楽になれる

推薦入試の実施は、一般入試に先立って行われます。

そのため無事「合格」となれば、一般入試者よりも先に苦しい受験勉強から解放されますし、何といっても「浪人」の心配をしなくて済みますので、精神的にとても楽になれます。

また一般受験で挑戦する場合、多くの人は3~5校程度は受験し、その都度かかる受験費用や滑り止め費用が結構な金額になりますが、推薦入試で合格が決まれば1回分の受験費用だけで済みます。

どんな人が推薦対象になりやすいのか?

推薦入試を視野にいれた場合、「どんな人が推薦対象になりやすいのか?」を知っておく必要があります。

学力優秀者

最も多いケースが学力優秀者です。

ところが、高校としては有名大学へひとりでも多くの合格者を出したい思惑から、必ずしも推薦希望者の中で学力成績が1番だから決まりというわけにはいかないのが実態です。

一般受験しても合格圏内にいれば「一般受験しろ」と言われてしまいます。

推薦を受けやすい人は、一般受験しても合否がボーダーラインの人であったりします。

もし自分の方が学力上位ならば、粘り強く先生に申告してみましょう。

スポーツ優秀者

従来スポーツ推薦を受け付けていない学校もありましたし、スポーツ系の学科でしかスポーツ推薦枠を設けていなかった大学も多くありましたが、最近では有名私立大学でも一般学科を含めたスポーツ推薦を受け付けているケースがほとんどです。

ただし、国公立大学では一定の基礎学力を有していることが前提となりますし、有名私立大学では公式戦での一定以上の成績(全国大会〇位以上等)がないと応募できないケースも多いです。

更に公式戦での出場度合い(ベンチ可とか出場しないとダメとか)を求めてくるケースもあります。

※スポーツ推薦を検討される場合は、まずは大学の応募要項に目を通し、部活動の先生と進路指導の先生の両方に相談することをおすすめします。

特定分野に秀でた人

  • 特定教科に秀でた人:〇〇賞受賞など
  • 特定の検定等で優秀な人:TOEIC〇〇〇点、英検〇級、簿記〇級、漢検〇級など
  • 課外授業でがんばった人:生徒会、文化系活動(〇〇賞・全国〇位)など
  • 特別な体験のある人:留学、ボランティアなど

推薦入試のデメリットとリスク

推薦入試はいいことだらけでもありません。

特に、「第1志望ではないけれど、推薦で合格できるならば・・・」と考えている人は、推薦入試の準備にとりかかる前に、いま一度自分の気持ちと向き合ってください。

自分自身が本当にその大学に進学したいのかという気持ちはもちろんのこと、もし推薦入試が不合格となった場合、後の一般受験対策への時間不足に陥ってしまいます。

  • 推薦入試は原則「専願制度」です→滑り止めにはできません
  • その大学を卒業するまで全うできるのか→自分の都合で留年や退学となった場合、出身高校の推薦に影響がでてきます
  • 推薦入試の多くは、小論文と面接・実技を課しています→特別な準備が必要になってきます:特に推薦を受ける私立大学以外の国公立大学が実は第1志望だという場合は、時間的にセンター試験の準備がおろそかになってしまいます
  • 小論文→その学科特有の分野から出題されます:不合格となった場合の一般入試で受験する大学に小論文が課されている場合でも、できるだけ近い分野を選んだ方が受験勉強時間のロスが少なくて済みます

まとめ

大学受験を控える子供を持つ親御さんの時代では、推薦入試といえば一部の学力優秀者しかお声の掛からない狭き制度であったことと思います。

また、大学受験といえば難関大学をイメージして、推薦枠がほとんどないと錯覚してしまっています。

ところが現状は、日本全国の大学を見渡せば約45%程度の入学者が何らかの推薦制度を利用して入学しています。

近年でも、東京大学・京都大学・大阪大学など従来推薦制度を設けていなかった日本のトップ国立大学でも推薦制度を設けるようになってきました。

これらの是非はともかく、国公立大学で更に推薦枠を広げる動向からも、近未来的には”大学入学者のふたりに1人は推薦入学”という時代になってきています。

逆にいえば、一般入試は狭き門になってくるということです。

この投稿では推薦入試を強くすすめるものではなく、「推薦入試は特別な制度」と検証・検討もされなかったご家庭でも、”推薦入試をひとつの受験制度”としてとらえて検証・検討したうえで、推薦入試にするのか一般入試にするのかを決めていただきたいというのが主眼です。

受験勉強は過酷ですが、必ずしもいい結果がでるとは限りません。

それだけに、受験生本人はもちろんのこと、親御さんにとってもとても長く感じる時間であると想像いたします。

いい結果がでれば一番ですが、そうでなくても”ガンバル”ことは一生の糧となることに間違いはありません!

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